はじめに
寒い冬の季節に欠かせないエアコンや給湯器。しかし、寒さが厳しくなると、これらの機器が突然動かなくなることがあります。特に冬場は、室外機や給湯器が故障しやすい時期です。この記事では、冬の室外機や給湯器の故障原因について、詳しく解説します。また、それを防ぐための対策や日常的なメンテナンス方法についても触れていきます。
1. 冬のエアコン室外機の故障原因とは？
エアコンの室外機は、屋外に設置されているため、寒さや雪、氷に直接さらされます。以下は、冬に室外機が故障しやすい主な原因です。
1–1 氷結（霜取り運転のトラブル）
冬の寒冷地では、室外機が凍結することがあります。エアコンは、運転中に霜が付着した場合、霜取り運転を行いますが、この機能が正常に働かないと、室外機に氷がどんどん溜まり、故障の原因となります。
【原因】
- 外気温が極端に低い場合や湿度が高い場合、霜が付きやすくなる。
- 室外機の設置場所が風通しの悪い場所にあると、凍結が進行しやすい。
- 長期間使用していない場合、霜取り機能が劣化している可能性。
1–2 配管やドレンホースの凍結
エアコンの冷媒配管やドレンホースが凍結することで、冷暖房の効率が低下し、場合によっては動作が停止します。
【原因】
- 室外機の設置が寒冷地仕様ではなく、保温材が不足している。
- ドレンホースが雪や氷で詰まり、水が排出されない。
1–3 室外機内部の部品故障
冬場の過酷な条件下では、室外機内部のコンプレッサーやファンモーターなどの部品に負担がかかります。これが故障につながることがあります。
【原因】
- 長年使用したエアコンでは、部品の経年劣化が進行している。
- 室外機周辺に雪が積もり、ファンの回転を妨げた結果、モーターに負荷がかかる。
1–4 電気系統のトラブル
寒冷地では電圧が不安定になることがあり、室外機の制御基板が影響を受けることがあります。
【原因】
- 寒さで電力供給が不安定になる。
- 配線が古くなっている場合、断線や接触不良が発生。
2. 冬の給湯器、エコキュートの故障原因とは？
給湯器もまた、寒い時期に故障しやすい機器の一つです。特に急な冷え込みや凍結が原因でトラブルが発生しやすくなります。
2.1 配管の凍結
給湯器で最も多いトラブルが、配管の凍結です。水道管や給湯器内の配管が凍結すると、水の流れが止まり、給湯器が動作しなくなります。
【原因】
- 夜間の気温が氷点下になる地域で配管の保温対策が不十分。
- 長時間使用しない間に水が流れず凍ってしまう。
2.2 バーナーの不調
給湯器内のバーナーが点火しない場合、お湯が作れなくなります。寒い冬場は特に頻発します。
【原因】
- ガス圧が低下している。
- バーナー周辺にゴミやほこりが溜まっている。
- バーナー自体の劣化。
2.3 凍結防止ヒーターの故障
多くの給湯器には凍結防止ヒーターが内蔵されていますが、このヒーターが故障すると配管が凍結するリスクが高まります。
【原因】
- 給湯器の電源を切ったままにしている。
- ヒーターの寿命が尽きている。
2.4 電気系統やセンサーの不具合
給湯器には多くのセンサーが搭載されていますが、これらが寒さにより誤作動を起こすことがあります。
【原因】
- 電源ケーブルが寒さで硬化し、断線する。
- 温度センサーが凍結によるダメージを受ける。
3. 冬場の故障を防ぐための対策
機器が故障する前に、以下の対策を取ることでトラブルを予防できます。
3–1 室外機の対策
設置場所の確認
室外機は、直射日光や風雪を避けられる場所に設置します。屋根や囲いを設けることで、風雪の影響を最小限に抑えることができます。
周辺の雪かき
室外機の周辺に雪が積もらないように定期的に除雪します。
保温材の補強
配管やドレンホースに保温材を巻きつけ、凍結を防止します。
定期点検
年に1回は専門業者に点検を依頼し、霜取り機能や内部部品の状態を確認してもらいましょう。
3-2 給湯器、エコキュートの対策
配管の保温
多くの給湯器、エコキュートには凍結防止ヒーターが内蔵されています。寒冷地では必ずスイッチをオンにしておきましょう。配管に専用の保温材を巻き、凍結を防ぎます。保温テープや断熱材を活用すると効果的です。
給湯器の電源を入れたままにする
凍結防止ヒーターを稼働させるため、冬場は電源を切らないようにします。
水を少し流し続ける(給湯器)
夜間に水道管が凍結しないよう、蛇口から少量の水を流し続けるのも有効です。
配管の水抜き(エコキュート)
夜間や長期間使用しない場合は、配管内の水を抜いておくことが重要です。これにより、配管の破損や故障リスクを低減できます。
ガス会社に相談
ガス圧の問題がある場合、ガス会社に相談して適切な対応を依頼しましょう。
4. 日常的なメンテナンスの重要性
エアコンや給湯器、エコキュートの故障を防ぐためには、日常的なメンテナンスも重要です。
4–1 室外機の清掃
室外機のファンやフィンにゴミやほこりが溜まらないよう、定期的に清掃しましょう。
4–2 給湯器のフィルター掃除
給湯器内のフィルターを定期的に掃除することで、ゴミや異物の詰まりを防ぎます。
4–3 専門業者による点検
定期的に専門業者に点検を依頼し、異常がないか確認してもらいます。
故障した場合、自分で無理に修理せず、メーカーサポートや専門業者に連絡してください。
5. 万が一のトラブル時の対処法
室外機が凍結した場合
- 霜取り運転を試す。
- 凍結部分をぬるま湯で溶かす（熱湯はNG）。
給湯器、エコキュートが凍結した場合
- 配管にタオルを巻きつけ、ぬるま湯をゆっくりかける。
- 電源を一度切り、再起動を試みる。
まとめ
冬場のエアコン室外機や給湯器、エコキュートの故障は、主に凍結や部品の劣化が原因です。日頃から適切な対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことができます。また、定期的な点検や清掃を行うことで、機器を長持ちさせることが可能です。今年の冬は、これらのポイントを参考にして、大切な機器を守りましょう。
